医学の発展によって、白血病や悪性リンパ腫など、血液疾患の治療成績も大きく改善がみられています。ただ一方で、急激な高齢化に伴って、強力な化学療法など根治を目指した治療が難しく、輸血や緩和的化学療法といった支持療法のみで病気と共に生きていかざるを得ない患者様も増加しているのが現状です。また高齢者に限らず、根治が見込めない状況でも、残された時間をいかに過ごすかを考えた場合に、Quality Of Lifeを優先して、馴染みある地域、住み慣れた自宅で多くの時間を過ごしたいという考え方も増えてきており、患者側・家族側の価値観も多様化してきていると言えます。
これらの希望に応えるためには、血液疾患の患者様が、住んでいる地域に関わらず、住み慣れた地域で支持療法から終末期医療まで、包括的に提供できるような体制構築が必要だと考えられます。我々「血液在宅ねっと」は、血液疾患の在宅医療/地域連携の普及・円滑化を目指して活動しています。
★この研究は、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団より支援をいただきました。