赤坂先生・西川先生(赤坂クリニック)血液疾患の在宅医療を支える熱意(1/4)

赤坂先生赤坂 浩司先生
赤坂クリニック(所在地・兵庫県神戸市灘区山田町3丁目1−15) 院長

日本内科学会指導医・認定医
骨髄バンク調節医師
所属学会:日本内科学会、日本血液学会、日本造血細胞移植学会、日本癌学会

<略歴>

1991年 熊本大学医学部卒業
1994年 兵庫県立尼崎病院 血液内科勤務
1996年 京都大学医学部附属病院 第一内科勤務
2000年 大阪赤十字病院 血液内科勤務
2004年 神鋼病院 血液内科勤務

西川先生西川 彰則先生

和歌山県立医科大学附属病院医療情報部長・輸血部准教授
赤坂クリニック非常勤医師

内科認定医・指導医、血液専門医・指導医、造血細胞移植認定医

所属学会:日本内科学会、日本血液学会、日本輸血・細胞治療学会、日本造血・免疫細胞療法学会、日本医療情報学会、日本遠隔医療学会

<略歴>

1997年上智大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。
その後、日本ディジタルイクイップメント株式会社(現 ヒューレット・パッカード株式会社)にシステムエンジニアとして勤務。
2001年群馬大学医学部に進み、自治医科大学附属病院、岩手県立千厩病院内科、栃木県立がんセンター等を経て、2012年和歌山県立医科大学附属病院血液内科に異動。2020年より同病院輸血部准教授および医療情報部長に就任。2015年より赤坂クリニック非常勤医師。

聞き手:トータス往診クリニック 大橋/赤坂クリニック 院長 赤坂先生・西川先生
大橋:
今日はお時間を頂いてありがとうございます。このインタビューのコーナーでは、もともと血液内科の病棟で働かれていた先生方で、地域医療の現場で、血液疾患の患者さんの医療を担っている方々を紹介していきたいと思っています。
Hospital hematologist とCommunity hematologistという言葉があって、前者は血液内科の病棟で働かれている先生方、それに対して後者は地域医療で活躍される血液内科の先生方です。Community hematologistはまだ一般的なものではないので、地域医療の現場で、血液内科のキャリアを活かしながら、こんな働き方があるんだなというのが、この企画を通じて読者の方に見えたらいなと思っています。どうかよろしくお願い致します。

血液内科を目指されたきっかけ

大橋:
まずはじめに、月並みではありますが、先生方が血液内科医を目指されたきっかけを教えて頂いてもよいでしょうか?
西川先生:
(以後敬称略)
血液内科は、研修医で一番はじめに回った科だったんです。自分の手で最後まで診ることができて、そして治すことができるところが魅力を感じました。初期研修は自治医科大学だったのですが、自治医科大学自体が、地域医療も含めて患者さんをしっかり最後まで見届ける文化があって、その頃から最期まで診ていきたいという気持ちがあったんですね。
さらに、赤坂クリニックで働くようになって、大学病院では診られないところまで診られるようになりました。赤坂クリニックは自分の勤務先の和歌山県立医大の上司からの紹介で知りました。
自分の祖父が往診医をしていたこともあって、ご縁があって赤坂クリニックで働くようになりました。

開業の動機

大橋:
赤坂先生は開業をされたきっかけを教えていただけますか?
赤坂先生:
(以後敬称略)
家族を自宅で看取ったことをきっかけに、訪問診療に興味を抱き、8年前に神戸市内で血液疾患の訪問診療クリニックを開業しました。当初は午前中に外来、午後から訪問診療という形をとっていました。
大橋:
医師会でもそういった形で外来診療と往診を併行して行うようにすすめられることがありますが、実際に午後だけだとあまり往診をしっかりできない、臨時に対応ができないといった声が大きいですよね。
午後からの往診という形で、これだけ重症の方々を診られるというのはすごいことですね!
赤坂
西川先生は週1日、外来は行わずに往診を中心にやってもらっています。非常勤の先生方と協力して外来と往診を対応しています。朝9時~夜7時くらいまで往診をしていることが多いですが、重症患者さんや急な往診依頼があると少し遅くなってしまうこともあります。