塚本 裕之先生 インタビュー(1/2)Community Hematologistへのシフトチェンジ

今回は、ホームアレークリニックの塚本裕之生に、Community Hematologistとなるまでの経緯、そして現在感じるやりがいやこれからの抱負について、お話を伺うことができました。

塚本 裕之先生
医療法人社団ホームアレー ホームアレークリニック(所在地:東京都世田谷区下馬6-17-12セトル学芸大1F)常勤医師日本血液学会認定専門医
難病指定医
がん診療緩和ケア研修修了

所属学会:日本内科学会、日本血液学会、日本造血・免疫細胞療法学会

<略歴>

2010年3月 昭和大学医学部 卒業
2012年3月 昭和大学医学部附属病院初期臨床研修修了
2012年4月 昭和大学医学部附属病院リウマチ膠原病内科 入局
2014年4月 昭和大学医学部附属病院血液内科 入局
2021年4月 昭和大学藤が丘病院兼任講師
2021年4月 ホームアレークリニックに常勤医師として勤務し、現在に至る

Community Hematologistへのシフトチェンジ

――血液内科の道に進まれた理由から教えてください。

2010年に昭和大学医学部を卒業し、初期臨床研修を修了したのち、最初は母校のリウマチ・膠原病内科に入局しました。全身を診る診療科であること、長期に渡って患者さんとお付き合いできる点に魅力を感じたからです。しかし入局後、血液内科での実習の機会がありました。その時に血液内科のダイナミックさや全身管理に興味を持ち、血液内科に転科しました。

――具体的にはどういった点に興味を持ったのですか?

最も興味を持ったのは、他のがん治療に先駆けて血液がんの分子標的薬などが開発されていて、治療の選択肢が非常に幅広い点です。また全身状態が悪く、他の固形がんでは抗がん剤治療ができないような状態の患者さんでも、治療により劇的に回復することがあります。反対に血液疾患の患者さんは、急激に状態が悪くなる場合も少なくなく、救急対応や感染症などの合併症に対する全身管理が必要になります。こういったところにダイナミックさを感じ、興味を持ちました。

リウマチ・膠原病内科に2年間在籍したのち、血液内科に転科してからは、主に昭和大学病院での臨床を中心に研鑽を積んできました。

――転科から8年後、Community Hematologistへシフトチェンジしたのはなぜですか?

大学病院で造血幹細胞移植はじめ一通りの研鑽を積ませていただきました。そして次のステップとして、さらに深く血液疾患の治療を極めていくか、別の道に進むか考えるようになり、新しいことに挑戦してようと思ったのがきっかけです。

もともと大学病院に勤務していた時にも、週1回外勤先で在宅医療に携わっていました。その時は、在宅医療の仕組みがなかなか把握しきれない中で働いていたため、大変という印象の方が強かったです。しかし一方で、本腰を入れて関わることで、これまでとは違った見え方になるはずだ、とも思いました。

また大学病院で外来診療をしていても、ご高齢になり通院できなくなる患者さんが一定数いらっしゃいました。そういった患者さんは、在宅医療に移行するため地域の診療所に紹介させていただき、 長く診てきた患者さんがその後どうなっているのか全く分からず、もどかしさを感じていました。そして、在宅療養を希望する患者さんは高齢化に伴い、今後確実に増えていくだろうとも考えていました。

こういったことを考えるようになった頃、医療法人社団ホームアレーのオーナーと出会う機会がありました。偶然にも、現在勤めているホームアレークリニックの院長は私の同級生。この二人からの誘いも後押しとなり、血液内科医としての次のステップに、Community Hematologistを選びました。

性格的にも、私は新しいことにどんどん挑戦していきたいタイプ。幅広くさまざまなことに挑戦し知識を得ていくこと自体がモチベーションにつながるので、在宅医療に飛び込み、新たな経験や知識を身につけていこうと思ったのです。