血液疾患の在宅医療の難しさ

血液疾患の在宅医療については、以下のような難しさがあります。

  • 血液疾患の経験のある医師が少ない。
    血液疾患は高齢化に伴って患者数が増え、また予後の改善により外来患者数も確実に増えてきています。一方で、血液専門医の人数の伸びはわずかで、慢性的に血液内科医不足が続いています。そんな中で、地域医療にかかわる血液内科医の数はとても少なく、患者様からのニーズに対応できないのが実情です。
  • 輸血や抗がん剤の対応が多い。
    血液内科の診療の中ではどうしても避けることの難しい輸血や抗がん剤の治療ですが、やはり特殊な対応が必要となるため、地域において対応して頂ける在宅医は非常に限られています。
  • 急に具合が悪くなること(急変)が多い。
    免疫力が弱い方も多く、急な発熱や体調不良に対応することが多くなります。在宅医療においては24時間365日の対応ができる、在宅療養支援診療所が増えてきていますが、やはり血液疾患については迅速な検査や抗生剤投与が必要になる場合も多く、在宅医療機関側の負荷は大きなものです。

これらの難しさにより、病院側も在宅側も、在宅医療へつないだ経験が少なく、経験の少なさがますますハードルを高くするという悪循環が生じてしまいます。

血液在宅ねっとでは、血液内科医の中で地域医療に関わる医師(Community Hematologist)の役割を確立すること、また非血液専門医であっても血液内科の在宅医療に貢献して頂ける医師の増加を目指して活動しています。